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24.スプリングスクールを終えて

 満開の桜が散る頃、毎年なぜか“ふっ”と今までの自分を振り返り、思いを馳せるようになってきました。

 昨年度(年3回・14日間)開催した「障害児の長期休暇中におけるスクール」を振り返りながら、この事業に関わってくださる沢山のボランティアさんの事を考えています。年齢は高校生から高齢者まで、経験は初心者から毎回来られるベテランの人など多数のボランティアの参加があります。

 特に定年退職された4人のボランティアさんですが、若い人にない障害児の心を掴んだ術を持っておられ、障害児個々の特性に応じた対応に感心させられています。

 私達は多動の子供さんには行動を止めようとしがちですが、Aさんは子供と一緒になって子供が飽きるまで行動されます。ある時、子供に付き合い10kmほど歩かれた事があるそうです。Bさんは、「今はしてはいけないよ」「○○へ行きましょう」など的確な指示を出され、常に見守りの姿勢で対応されています。又、スクール以外でも送迎ボランティアをされています。Cさんは、一見恐そうな風貌で子供の名前を呼び捨てにされますが、皆の人気者です。障害があるなしに関わらずきちんと善悪のけじめをされ、時には叱り、時には褒め、竹を割ったような性格です。Dさんは女性の方ですが、個人ボランティアの先駆者です。スクールはもちろん、障害児・者の関係機関にはどこに行ってもボランティアでお顔を拝見します。

 他にも沢山のボランティアさんがおられますが、スクールは皆様、お一人お一人の力がなければ成り立ちません。無償の愛を与えてくださる皆さんの支えがこのスクールを成功させる秘訣ではないでしょうか。

 私はこの仕事に関わらせて頂いていますが、支援者の立場であっても障害児・者の全てを分かっているわけではありません。支援の方法が正しいと言う事もないと思っています。色んな方たちとの係わり合いの中から自らが気づいて初めて身になるものと思っています。

 私達に気づきを与えて下さるボランティアに「感謝」です。


平成24年4月10日
センター長 古賀敏幸